見るもの聞くものがすべて新鮮で「ハーッ!世の中こうなっているんだ!凄い!」と、それまでは音符と楽器しか見た事の無かった私は、すべてに感動し毎日小型のテープレコーダーを持参し一番前の席に座り先生の話を一言も聞き逃さないように録音しながら目を大きく開け聞き入りました。終わってからも録音した講義の内容を聞き直し賢明に勉強し吸収しました。
この頃は私の子供も未だ二人とも小学生で、この子達のためにも頑張らなきゃと思い、夜はバンドの仕事で夜中の3時頃まで働き、3時間程の睡眠でまた朝の会社出勤と、今では考えられないようなハードな日々をひたすら目標に向かって働きました。
おかげで努力のかいあって一年間毎月の目標をクリアし夢の給料を受取ったのです。
バンド時代では考えられないようなお金が封筒に入ってきた時には幻ではないかと思い、思わずほっぺたをつねったものです。
毎月25日の給料日に、ちゃんと遅れずにやった分のギャラがもらえるこの仕事は何と素晴らしいものか、それまでには考えられなかった事だったのです。
いつも遅れたり逃げられたりは日常茶飯事でしたから。
こうして私は次第に周りから期待される人間になって行ったのです。
つづく
# by nanbunaoto | 2007-07-10 12:54 | Comments(0)